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2011年1月17日 (月)

ガッツポーズ!  (2009年2月8日)

Bu090208


俺はタイガー・ウッズが大嫌いだ。
とは言っても、はじめから嫌いだった訳じゃあない。
デビューした頃の、ウッズは熱烈に応援していた。
なにより、それまでの古い空気の漂うような男子ツアーに、たった一人で切り込んでいった向こう見ずな戦士のような初々しさがあった。
彼に敗れていったプロ達の、驚いたような顔が印象的だった。
そして、自分より強い(と思われる)ものに望んでいくとき、あのガッツポーズは自分を奮い立たせるモノとして、好意的に見ることが出来た。

しかし、それもグランドスラムを完成するときまで。
誰もが認める「キング」になった今、どういう状態であろうと、あの若い挑戦者の頃と同じ、いや、もっとくどくなったガッツポーズは、俺には醜く眉をひそめるモノとしか感じられない。
まして、最近の彼のガッツポーズは、観客を煽り、同伴競技者を威嚇しているようで、とても正視できるものではない。
今では、タイガーのガッツポーズが出そうになるとチャンネルを変える...俺が熱中したゴルフの「世界一」がこんなに醜い様をするとは...と。

そして、今はそこら中で、あの真似をして「ド派手」なガッツポーズをやりまくる奴だらけ。
同伴競技者が次のパットを打つのに待っているのにもかかわらず、何時までもげんこつを突き上げてポーズする奴、全く他の同伴競技者の迷惑を考えずに興奮して動き回る奴...

例えば、長いパーパットがやっと入って、「よし!」と嬉しそうにげんこつを握る。
久しぶりのバーディーパットが入って、「入ったー!」と万歳をして喜ぶ。
目標だった事が実現できて静かに拳を握って、力を入れる。
...そんな風だったら、同伴競技者も「ナイスパット!」とか「ナイスバーディー!」とか、「おめでとう!」と言って、喜びを分かち合える。
微笑ましいと思うし、本当に良かったなあと思える。

だが、一人で興奮して、鼻の穴をふくらまして、「どうだ!」と言わんばかりの派手なガッツポーズをしつこくする奴なんて、ただスパイクで蹴っ飛ばしてから「お前だけがゴルフやってるんじゃない!」と言いたいだけ。
こんなガッツポーズのこんな騒ぎは、ゴルフ本来の楽しみ方とは違うんじゃないのか?
もっと紳士的な(俺は紳士ではないけど)、侍的な、騎士的な部分が必要なのではないか?
俺は、ゴルフにはあの「武士は食わねど高楊枝」の、「痩せ我慢」の美学が中心にあると思うんだけど...

タイガーの「ガッツポーズ」は、あの朝青龍の「万歳ガッツポーズ」と変わりない。
相撲は、負けてもきちんと礼をして、土俵を降りる。
礼をする前に相手が、あんなガッツポーズをして騒いでいたら、走っていって跳び蹴りしたっていいだろう。
タイガーはもう押しも押されぬゴルフ史に残るゴルファーなんだから、どんなに気合いの入った時だって、静かに軽く拳を握って「ニヤッ」と笑ってウィンクでもしたら、本当に格好いいのにと思う。

俺が今までに見た、一番格好良いガッツポーズは、先に描いた「30ヤードのナイスショット」の時...前の打席にいた若い男が、身体の不自由な男性のやっと打てた30ヤードのナイスショットに、彼に見えないように後ろを向いて小さく拳を握って「ニコッ」と笑ったガッツポーズ。
こういうガッツポーズをする人とは、一度一緒にラウンドしたい...きっとスコアはともかく、素晴らしいラウンドが出来るだろうなとあ、と思う。


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「『痩せ我慢』の美学・・・まさにその通りだと思います。
先日、その話しを聞いてから色々考えさせられております・・・
確かに、既に様々な伝説を超えてしまっている現在では、残すところニクラウスのメジャー18勝だけですもんねぇ・・・それも、もちろんチャレンジなんでしょうけど、ちょっと単純なチャレンジというのには違う感じですし・・・絶対王者としての仰るような仕草になった方が、カッコイイですね。
ちょっとこの話しを聞いてから、アメリカ社会に根付く『人種差別』の底流のようなものをおぼろげながら考えてまして・・・また今度聞いてください・・・
Posted by:ひろみろ at 2009年02月08日(日) 13:59

こんにちは
タイガーファンとしてはですが、そういう言われるとたしかにそうかもしれません
それと...ハイ 御一緒してみたいです 勉強のためにも
Posted by:Shu at 2009年02月08日(日) 14:17

ひろみろさん、こんにちは。
もちろん人種差別は、色々な形で残っているのは当然でしょう。
特に根強く残っていたゴルフ界で、タイガーがチャレンジし続けてきたのも判っています。
だからこそ、ガッツポーズで気合いを入れて、それらを押しのけるチャレンジャーの時代は過ぎたのだから、チャンピオンらしいゴルファーになれ、と言いたいのです。
(もちろんチャレンジャーとしての気持ちを持ち続けるべきだ、とは思いますが現実には、他の全てのゴルファーが王者タイガーに挑戦しているという状態が真実でしょう)
まだ、タイガーはミスをすると不愉快そうな顔になるし、ミスが周りのせいのようににらみつけたり、クラブに当たったりします。
彼は世界最強のゴルファーではあるけれど、まだ最高のゴルファーだとは思えません。
Posted by:大叩き男 at 2009年02月08日(日) 14:33


Shuさん、こんにちは。

私は、タイガーがばかげたガッツポーズさえしなかったら、嫌いだとは思えません。
まあ、我々が見習うレベルとは全く関係ない、参考にならない高レベルの技術体力ですので、身近には感じませんが。
私に関しては、全くダメゴルファーで、態度も技術もいつまで経っても未熟そのもの...ラウンドが終わると、ただ悔いが残るだけです。
とても、恥ずかしくて太陽の下を顔を上げて歩けないほどです、はい。
派手なガッツポーズが嫌いなだけで、タイガーファンの方々を不愉快にさせるつもりもありませんでしたので、お許しを。
Posted by:大叩き男 at 2009年02月08日(日) 14:42

こんにちわ、いつも拝見させていただいております
「プロ」=「ゴルファーで一番偉い人」ではなく、「賞金稼ぎ」の方に明確に分類されるべきだと思います。
プロは亜流であって、ゴルフはアマチュアのモノ・・・金と友情、すなわち水と油です。
しかし、本来あるべきゴルフの姿を示せるお手本も組織もなければ、ゴルフ文化度の低い(まま放置されてる)日本人アマが、TVを見て勘違いしてしまうのも無理はありません。
我々「ヘボ」のガッツポーズも、大部分は運の良かった偶然を己の実力と思いこむ見苦しい勘違いに他ならない、ということを「ゴルフできるくらいの大人」でしたら認識すべきですね。
でも、タイガーが真に尊敬されるのは、高過ぎる賞金や契約金の殆んどを「誰か」のために使ってた、なんてことになった時でしょうか?
NO1というのは、常にお手本とならなければならない所が所以なんですね。
Posted by:roy at 2009年02月08日(日) 16:19


Toyさん、こんにちは.
アマチュアとプロ、難しい問題です。
その境界が、非常に曖昧になってきてるから、余計にこんな事が気になるのかも知れません...
やはりプロゴルフという「賞金稼ぎ」の舞台でも、トップに立つ者は、「ゴルフ」と「社会」に対する責任があると思います。
その責任を自覚しての行動が認められれば、自然に尊敬される存在になっていくと思われますが...あのガッツポーズをしているうちはちょっと...?
Posted by:大叩き男 at 2009年02月08日(日) 17:11

私も同じ理由でタイガーが嫌いです。
感情の発露としてのガッツポーズなら、多分見ていて不快に思わないと思う。
でもタイガーのガッツポーズは、対戦相手と観客を意識しているようで不快です。
最近感情をハッキリ出すことを勧める風潮がありますが、あまり個人的には好きではありません。
Posted by:ロボ蔵 at 2009年02月08日(日) 22:12

ロボ蔵さん、どうも。
その通りですね。
描いてみると結構同じ気持ちで見ていた人が多いのに、驚きました。
別に何時も「クール」である必要はないのですが、「熱さ」のはき違えは醜い、と感じます。
Posted by:大叩き男 at 2009年02月08日(日) 22:18

本題のTWの件じゃないコメントで恐縮なんですが、
『30ヤードのナイスショット』の記事の方を初めて
読みました。「あれ?そんな記事あったっけ?」って。
で、読んで、思わずパソコンの前で涙を流してしまいました。
小さいけれど、凄く大きな気持ちがこもったガッツポーズ、
カッコイイと言わずにいられませんでした。
Posted by:MR-G at 2009年02月10日(火) 00:16

たしか.... 中部銀次郎さんだったと思うのですが、Proがバーディーなど決めたときに、マナーとして会釈するのは観客への礼儀、ガッツポーズなどするのは同伴競技者に対して本来、非礼極まりないもの...... って何かの本に書いていたのを思い出しました。
Posted by:Golfers0725 at 2009年02月10日(火) 04:28

MR-Gさん、こんにちは。
あの時、自然に出た彼のガッツポーズは、「周りへの威嚇」や「勝手な自己満足」とはほど遠い、本当に心からの「ナイスショット!」であり、「やった!」という感動だったと思います。
周りで見ていた人達も、同じように感じていたと思いますし、こんな自然な動きだったら誰も不快になんか思いませんね。
Posted by:大叩き男 at 2009年02月10日(火) 08:14

Golfers0725さん,こんにちは。
去年の全米オープンのタイガーの騒ぎは、とても「ゴルフの風景」とは思えない、無惨な光景だったと思います。
例え故障を抱えていたとしても、謙虚さの欠片もない大騒ぎのどこに、王者の風格があるのか、と...
Posted by:大叩き男 at 2009年02月10日(火) 08:18

「30ヤードのナイスショット」と同じような体験を、お友達の「Shu」さんが( http://blog.golfdigest.co.jp/user/area_23/ )書かれています。
Posted by:大叩き男 at 2009年02月10日(火) 08:23 」

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