« 天下の暴論...2 (2010年1月15日) | トップページ | どんな風に...(2010年1月17日) »

2011年1月18日 (火)

あちら側とこちら側...補 (2010年1月16日)

Bu100116


難しい話ではあるけれど、自分の体験を書いておこうと思う。

ゴルフダイジェストの仕事を続けてするようになり、始めたゴルフにも熱中し始めた頃、よく編集者と一緒にいろいろなコースに取材に行くようになった。
でも、本当の「超名門」のコースは「うちは取材していただかなくても結構です」と断られることが多く、「名門」あるいは「準名門」なんていうコースは、たまに取材をかねてラウンドさせてもらうことが出来た。

ずっとフリーで仕事をしていた自分は、葬式や結婚式用の黒い背広しか持っていなかったのでジャケットを買い、マナーの本を懸命に読んで失礼のないように緊張してラウンドをした。
レストランの重厚さも、歴史ある風情も、上品な雰囲気も、「これが本物のゴルフコースだ」なんてしみじみ思ったものだった。
ただし、その頃自分が乗っていたランクルのBJ44を正面に近いところに停めたら、「奥に移動してくれ」とよく言われたけど(笑)。
改めて見てみると周りはドイツの高級車や、運転手付きの高級車ばかりだった...

そして、やはり取材でメンバーが多いことで知られた、いわゆる大衆コースのT県のKカントリークラブに行った時のこと。
駐車場は大衆車や軽自動車ばかりで、駐車場に入りきれなかった車が進入路にまで駐車していた。
レストランはデパートのレストランのようにザワザワと騒がしく、人が行ったり来たりで落ち着いた雰囲気はどこにもなく、時間が余った人たちはスタートホールのティーグランド辺りで昼寝をしていた。
そこには、あの名門のような落ち着いた雰囲気はどこにもなく、同じゴルフをやる場所とはとても思えない程だった。

だから我々はそれを見て「やっぱり大衆コースはひでえなあ」なんて話をしながら嘲笑していたのだ...自分たちがどちら側なのか勘違いして。
...よく高級品を売る店の店員が、貧乏そうな客が来ると「あんた達が来る店じゃないよ」なんて態度で応対するが、その店員がどちら側の人間なのか考えたらおかしな態度だ。

あげくの果てに、仕事のイラストで「大衆コースのゴルファーの酷い実態」なんてテーマでカットを書いたのだ...その人たちを馬鹿にした内容だ...特に「昼食を車でおにぎりを食う人までいる」なんてことを馬鹿にして。

...間違いだった。
数年前に会った若いゴルファーは見事にアスリートで、態度もプレーも気持ちよく、素晴らしいゴルフをしていた。
その彼が昼食時に、「僕は車でおにぎりを食べますので、よろしくお願いします」と言った。
聞くと「僕は月に4万円しかゴルフに使えないので、レストラン代がもったいないんです。3回我慢すれば1ラウンド出来ますから。」と悪びれずに言う。
練習場も月に一回程度で、毎日素振りを欠かさないそうだ。
「でも、試合では結構金がかかるので、その分の貯金もしなくてはいけないので厳しいです。」

俺は、普通に出ているマナー本なんかを読んで、そう言うゴルファーを馬鹿にしたカットを描いた...考えの浅い行為だったと、あれからずっと悔やんでいる。
あちら側では想像もできないことだろうが、こちら側でそうやってやりくりしながらゴルフを真剣に楽しんでいる人が沢山いる。

その姿を今の俺は、非常に美しい...なんて愛おしく素晴らしい人たちだ...
だからゴルフは素晴らしいんだ、なんて感じている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「レストランを使わないで車でおにぎりを食べることが、マナー違反なんでしょうか?
そんなことを書いている「普通のマナー本」が存在するのですか?
レストランで優雅に食事するのもゴルフだし、ざわざわしたレストランでの食事の後ティインググラウンドそばで昼寝するのもゴルフだと思います。
どっりが正しい、どっちが正統とかにこだわって、自分のスタイルに合わないゴルフを認めないのではなく、自分の好きなスタイルのゴルフを楽しめばいいのではないでしょうか?
Posted by:yamasan at 2010年01月16日(土) 12:52

こういう風に一生懸命にお金を工面しながらGolfを続けるってのはホント大変ですけど......
好きな事に打ちこむための、こういう姿勢が大事な気がしますね。
Posted by:Mackdady at 2010年01月16日(土) 12:55

人を見下す人は卑しいですよね。いくら金銭的に恵まれてても心が貧しい。
日本のゴルフ界は社会的地位が見え隠れしていて、人を見下す文化が今なお残っている気がします。
ゴルフ場にレストランがあるのに、出費を惜しんで車でおにぎりを食べるのは、同伴競技者との時間を楽しんだり、コースを楽しむ上では賞賛されることではないと思うんですが、事情をわかった上で「そんなにゴルフが好きなんだね」と相手の気持ちをくむ姿勢がゴルファーには欲しいなぁなんて考えたりします。
上手く言えませんけど、ドレスコードにしろ、搭乗する車の車種にしろ、そんなものに縛られずに相手の気持ちを察すること、そして敬意を表すことを忘れたくないですよね。
Posted by:ZO at 2010年01月16日(土) 13:21

yamasanさん、こんにちは。
当時依頼のあった仕事では「ゴルファーの非常識な実態」のようなテーマだったかと思います。
「紳士らしからぬ行為」として取り上げらられたように記憶しています。
食堂で食べないのはコース側の利益も減るという事情があるんでしょうけど(笑)。
正当でも正しいでもなく、違うゴルフがあるのだ、というのが論点です。
それを笑いものにも、馬鹿にもすることなく(私はそういう視点を否定したいというだけです)。
Posted by:大叩き男 at 2010年01月16日(土) 13:26

Mackdadyさん、こんにちは。
ゴルフが裕福な一部の人だけのものでなくなったからこそ、こういう人たちが出て来ているんだと思います。
そんな人を応援したいし...これは、タイガー・ウッズが開いた世界なのかも知れません(タイガーの一番の功績かも。)
Posted by:大叩き男 at 2010年01月16日(土) 13:30

ZOさん、こんにちは。
まさしく全面的に仰る通りです。
私の言いたかったことを代弁していただいたようで有り難いです(笑)。
マナーを指導する言葉の後ろに「敬意」が感じられない時に、人は何か反発を感じるんだと思います。
Posted by:大叩き男 at 2010年01月16日(土) 13:34

こんにちは、
本来その 「あちら側とこちら側」 をつなぐモノが
ゴルフなんでしょうけどね?
Posted by:joshua at 2010年01月16日(土) 16:43

こんにちは。
いつも拝見でしたが、遂に堪らずコメントです
あちら側に飛び込んで、気を遣いながらゴルフをするより
こちら側で、少々のハメを外しながら
楽しいゴルフの方が良いかとは思いますが・・・
            如何でしょう
名門と言われるコースは、歴史の永いコースと認識していますが、
ヤッパリ裕福な会員の社交場兼ゴルフ場なんですね~
去年、名門でも有名でも無い、裕福な会員も居ないゴルフ場。
大正2年開場されたパブリック「雲仙ゴルフ場」に行って来ましたが、
日本でゴルフが始まった歴史を感じる雰囲気と、コースでした。
やっぱり、こちら側のゴルフが出来るコースが良いです
Posted by:おっちゃん at 2010年01月16日(土) 17:38

joshuaさん、こんばんは。
どちらも純粋にゴルフが好きなら、ゴルフを楽しむ気持ちに変わりはないはずですね。
ちゃんとしたゴルファーは、プレーにおいてはその垣根は越えられるでしょう...垣根が開いていれば、ですが(笑)。
Posted by:大叩き男 at 2010年01月16日(土) 19:02

おっちゃんさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
我々がプレー出来るコースと、出来ないコースは厳然として存在しています。
我々はプレー出来るコースで楽しみましょう。
そんなコースを名門と比較されても、我々は名門コースなんて知らない訳ですからそんな比較は無用の事です、と言って(笑)。
Posted by:大叩き男 at 2010年01月16日(土) 19:06

大叩き男さん、こんばんわ
ウィキペディアでマナーをひくと、以下のような記述があります。
「他者を気遣う」という気持ちを所作として形式化し、わかりやすくしたものが形式としてのマナーである。
他者を気遣う気持ちが感じられれば、あっちもこっちもどっちもそっちも関係なくゴルフが楽しめるのでしょうね。
PS.登録ありがとうございました。今後とも宜しくお願いしますね。
Posted by:ファルコンまつばら at 2010年01月16日(土) 19:56

ファルコンまつばらさん、こんばんは。
こちらこそよろしくお願いします。
その通りだと思います...敬意と気遣い、ですね。
20年以上前の私には、そのいずれもが欠けていたようです。
今になって、はっきりと判ります。
これは苦い記憶でした(反省)。
Posted by:大叩き男 at 2010年01月16日(土) 22:22

はじめまして。
やっぱりゴルファーたるもの、最低限のマナーは身に付けないといけませんよね。
現場では、ジュニアの選手もしっかりマナーを身に付けている子もいれば、出来ていない子もいるですよね、、
Posted by:taka(ゴルフ場のお仕事) at 2010年01月18日(月) 01:31

takaさん、こんにちは。
私もゴルファーとして(というより人間として)のマナーというものは、厳然として「なくてはいけない」と思います。
例えば、同伴競技者に敬意を持つ、コースを大事にする、そしてゴルフの基本である「あるがままにプレーする」。
基本的にそれだけあれば、挨拶もしない、スロープレー、インチキ、迷惑行為はなくなると思います。
これはゴルファーというより、人ととしての基本の問題だと思いますが。
...にしても、酷い子供、多いです。
Posted by:大叩き男 at 2010年01月18日(月) 09:25」

|

« 天下の暴論...2 (2010年1月15日) | トップページ | どんな風に...(2010年1月17日) »

ああ,ゴルフ!」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1457285/38514340

この記事へのトラックバック一覧です: あちら側とこちら側...補 (2010年1月16日):

« 天下の暴論...2 (2010年1月15日) | トップページ | どんな風に...(2010年1月17日) »