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2011年1月18日 (火)

230の夢  (2009年1月6日)

Bu100106


Tさんは一級建築士、建築設計のプロだ。

20年以上前、バブルの始まる頃に師匠である有名建築家のもとから独立して、自分の建築設計事務所を立ち上げた。
その頃はマンションの設計を受けると、設計料は数百万円の金が入った。
そういう仕事が途切れることなく入って来て、設計事務所は順風満帆、早くから(ウィンドウズになる前から)パソコンのソフトを使用した設計技術も信頼されていた。
ゴルフは師匠のところにいる頃から始めて、自分の設計事務所を持つ頃には二つのコースのメンバーだった。
ただし、その頃は会員権の値段も急騰して、買えたのは栃木や群馬のちょっと遠いコースだったけど。
時間が空いた時には、近くの空き地にボールを4-50個持って行ってアプローチ練習するなど、かなり熱中してゴルフをやっていた。

しかし、しばらくして流れが変わった。
バブルの崩壊とともに、大きな仕事が来なくなった。
仕事は小さな改装や立て直しなんてものの設計や修正が多くなり、入ってくる金額も一桁以上少なくなった。
その後も流れは変わらず、家のローンの支払いにも事欠くようになって、ゴルフの会員権は2枚とも手放した。
そして今では自分の設計事務所は畳んで、大きな設計事務所に契約社員で通っている。
奥さんもずっとパートで働いている。

...仕事では使わなくなった自宅の事務所の片隅に、今でもキャディーバッグが一つ置いてある。
最後に使ったのはもう十年近く前になるだろうか...大学の同窓会のコンペだった。

この一二年は、キャディーバッグに触れてもいないけれど、中に入っているクラブは、いつか再びゴルフを再開するときのためにと、最後にそろえたこだわりのクラブだ。
アイアンはダンロップのDP-201が2番から、パターはピンのスコッツデール、フェアウェイウッドはテーラーメイド...そしてドライバーはブリジストンの230チタン。
(230チタンは当時最新のドライバーで、これを初めて使った時にはその飛びに感動したものだった...)

これらのクラブは、シングルハンデを目指して熱中していた当時に、自分が考えた最強のクラブセットだった。
数年前に、カビの生えてしまったグローブや、黄色く変色したボールは捨てたけれど、このクラブセットは捨てるのに忍びなくて部屋の片隅に置いたまま...
時間の流れを感じるのは、当時最大容積のドライバーということで230を名に付けたドライバーが、今主流のドライバーの半分の容積しかない、という事実。

そんな、買ってから何ラウンドも使わなかった230チタンだが、自分がゴルフを再開するときが来たら、また自分の期待に応えてフェアウェイで吠えてくれるんだろうか。

...ずっとキャディーバッグの中で待っている230チタンは、どんな夢を見ているんだろう...

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「ジブンの仕事とかなり近い業界の方のお話なので
身にしみます。
請負業の大変さですね。
建築家って、西欧では医者、弁護士と並び称される
職業なんですが・・・
Posted by:ばたやん at 2010年01月06日(水) 12:23

ゴルフはどこへも行かない、ずっと待っていてくれます。
Posted by:とえ at 2010年01月06日(水) 15:08

選ばれし物さん、はじめまして。
挨拶もなしにいきなり書き込んですみません。
たくさん読ませて頂いている内に、
初めてという事を忘れてしまいました。
いつも感銘を受けております、
どうぞよろしくお願い致します。
Posted by:とえ at 2010年01月06日(水) 18:18

ばたやんさん、こんばんは。
一級建築士って、国家資格なんですよね。
私のように資格なんかない仕事と違って、国家から資格が保証されている仕事でもなかなか上手くはいかない...
厳しい時代です。
再びゴルフを楽しめる時がくれば良いんですが...
Posted by:大叩き男 at 2010年01月06日(水) 21:00

とえさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
コメントを書いていただけるということは嬉しいことです。
気軽に遊びにいらしてください。
...ゴルフというのは、安くなったとはいえプレーを再会するには気持ちと収入の余裕が必要です。
いつか心安らかにゴルフを楽しめる時代がくれば、と私も思っています。
Posted by:大叩き男 at 2010年01月06日(水) 21:03

大叩き男さん、申し訳ございませんでした。
気がついておられながら、
優しく、やりすごしてくださった事に感謝致します。
それにしても新年早々なんて間違いを…。
大叩き男さんの決めゼリフを使わせて頂きたいと思います。
「俺はバカだ!」
Posted by:とえ at 2010年01月06日(水) 21:13

とても・・・その方の思いが伝わるお話ですね
黄金色に輝いていた230チタン
懐かしいな~
きっと復活された際も、いい仕事をしてくれると思います
その当時の道具は、ある意味完成されてますから、、、
私も、BenHoganPersonalで競技に出ている変人なので
胸に染み入るお話でした
Posted by:Non at 2010年01月06日(水) 21:43

同じモデルのアイアンを知人に譲ってもらったまま我が家にも・・・
磨いても美しく輝かないのだけが残念ですが
気に入っている一つです。
近しい環境にいるような方のお話は、なんだか切なくて
私の周りにも同じような方が沢山おりますよ。
極端に言えば以前より恵まれてる環境の方、凄く少ないようにも・・・
いつかきっといい時代が来る、そう信じて今の仕事にしがみ付く
それが私に出来る最善の策だと今は思っています。
Posted by:みずお at 2010年01月06日(水) 23:01

とえさん、こんばんは。
そんなに難しく考えずに、どうかお気楽に(笑)。
馬鹿なのは私です...まだ足を引きずって(笑)。
Posted by:大叩き男 at 2010年01月07日(木) 00:13

Nonさん、こんばんは。
230チタンは私もまだ持っています...多分もう使えないでしょうが(笑)。
パーソナルをお使いですか...あれは確かDP-201の原型ですよね。
私はここのところ黒トップばかりですが...
Posted by:大叩き男 at 2010年01月07日(木) 00:17

みずおさん、こんばんは。
私はDP-201は使ったことがないんですが、感触が良いらしいですね。
私も彼とは変わらないような状況にいますが、「ゴルフをすることも仕事のうち」なんて気持ちで、多少無理をしてもラウンドを続けようと思っています。
腕に自信があっても,それが仕事に繋がらない...そんな苦しさをたくさんの人が抱えている時代ですね,今は。
いつかそんな人々がみんな報われる時代が来てほしいですねえ...
泡銭を右から左に動かすだけの人間が,豊かな暮らしをするような時代ではなく。
Posted by:大叩き男 at 2010年01月07日(木) 00:23

大叩き男さん、はじめまして。
今までコメントしていませんでしたが、いつも楽しく読ませていただいております。
230チタンは中古で購入して、年末に色を塗り替え、新しいシャフトを挿してあげました。
まだラウンドでは使っていませんが、大きいヘッドが苦手な私にとっては、今でも素晴らしいドライバーです。
近い将来、Tさんのゴルフが復活することを願いつつ、自分の230を大事に使ってあげたいと思います。
Posted by:ファルコンまつばら at 2010年01月10日(日) 00:4

ファルコンまつばらさん、はじめまして。
230チタンは名器だったと私も思います。
私も大きなヘッドがどうも違和感があるので、230のヘッドにディアマナのXシャフトでもつけたらどうだろうか?なんて考えています。
ちょっとファルコンまつばらさんのコメントを読んで、その気になりかけています(笑)。
Posted by:大叩き男 at 2010年01月10日(日) 10:41 」

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