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2011年3月 9日 (水)

叶わない夢だと...

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この「ゴルフな人々」に描いている人々で、ゴルフをしなかったのはこの男だけだろう。
絵を描き始めた頃からの友人、何度か描いている「ゴルフを始めなかった男」の話だ。

厳密に言えば、俺の送ったフルセットで1−2度のラウンドはしたらしい。
しかし、「俺はやっぱり野球だ」と、ゴルフを本気で始める事はなかった。

高校時代、地元九州のヒーローだった。
高校卒業時には、広島カープからスカウトされたが、腎臓を壊したためにプロの道は諦めたと言う。

大学に入学した後デザインをやりたくて中退、某デザイン学校でイラストをやろうとしていた俺と出会う。
それからの長い付き合い。
大阪でデザイン学校の先生となり、写植の会社を起こす。
東京と大阪での元祖長距離恋愛で、毎週東京駅での涙の別れを繰り返した後、若くして結婚。
一時は社員10人以上を使って大きな仕事を続けていた。
...しかし、パソコンの普及とともに、「写植」という仕事自体が消滅。
会社は終わり、結婚生活も3人の子供を作りながら離婚...子供は3人とも奥さんの方についたと言う。

その後、地元九州に帰って母親の面倒を見ながら暮らしていた。
しかし、その母親も数年前に亡くなり、バイトをしながら野球を楽しんでいたようだった。

ゴルフは、もう十年以上前に「ちょっと始めたいから、使わないクラブを譲ってくれ」と言われて、ピンアイ2プラスベリリウムカッパーの1番からP、L、S迄のセットと、その頃最新のファウンダースの1・3Wと、ピンアンサーのパターを送った。
元々運動神経は素晴らしい男の事、本気でゴルフを始めればすぐに上手くなるだろうと思っていた。
そうすれば、九州にもゴルフバッグを担いで遊びに行き、昼はゴルフをして夜は酒を飲む...そんな事が出来る日を楽しみにしていた。

しかし、始めなかった。
何とも上手く行かなくて、自分には向いてないと言う。

そして昨年、軽い脳梗塞をやった。
「もう全力疾走できなくなったから、ゴルフを真面目に始めるわ」
...今度こそ始めるか、と期待していたところに「今度は脳出血で、症状が重い」という連絡。
脳梗塞予防のために飲んでいた血液を固まらなくするワーファリンが、脳出血を重くする結果となってしまったという事だった。

そして、「徘徊症状が出ているので、閉鎖病棟に入っている」と...
本人に聞くと「高校時代や中学時代に戻っているような夢を見るんだ」と。
半身の麻痺も重いようだ...なんとか会話は出来るけれど。

ゴルフを楽しみながら、フェアウェイを歩き、終わってからゴルフを語りながら酒を飲む...そんな夢は、とうとう叶わない事になってしまったようだ。

子供も見舞いに来ないと言う、九州鹿児島地方に、明日見舞いに行く。
喜んでくれれば良いんだけれど...


(少しの間ブログの更新は休みます)

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