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2014年8月 7日 (木)

Bu1407032年程前、難しいと言う評判のコースのバックティー使用のオープンコンペで60前後のMさんというゴルファーと一緒になった。
いかにもラウンド数が多いと判る日焼けをしていて、飛ばないけれどショットの正確さと小技やパットの上手さで36・37のワンオーバー...見事にベスグロを獲得していた。


賞品楽しみのオープンコンペなのに、ちょっと違和感があるくらい真剣にプレーしていたのが気になって、Mさんに声をかけた。
「いやあ、実はこのコースには僕のゴルフにとって因縁がありまして...」
今の所属コースのハンデが5だというMさんは、以前このコースのメンバーだったと言う。
「バブルの終わりの頃に無理をしてこのコースを買いまして、月例にもずっと出ていました。」
「難しくて良いコースと言う評判でしたので、ここでシングルになれば誰に向かっても胸を張れる...そう思って一生懸命練習しました。」
「十年近く頑張ったんですが...結局ダメでした。」

レッスンプロについたり毎日の練習も欠かさず続け、道具も体調も完全にして月例に望んでも、このコースに来るとあるホールではティーショットでOBを打つ、あるホールではセカンドショットを失敗する...あるホールでは3パット4パットをする...いつも同じように途中で失敗して自滅して行く。
どんなにそれまで調子が良くても、このコースの月例に出ると何もかも自信を失ってゴルフが分からなくなる...その繰り返しだったと言う。

それを繰り返し過ぎて「もうゴルフをやめようか」なんて思い始めた時に、古いゴルフ仲間に「お前、あのコースとの相性が悪いんじゃないか?」と言われたそうだ。
「お前はあのホームコースに行くと、なんだかギクシャクしておかしなスイングになって、つまらないミスばかり重ねてるように見えるぞ」と、その男に言われた。
思い当たる事はあった。
ほかの仲間のコースやコンペで行くコースではMさんは、フロントティーからなら大抵70台のスコアでまわっていた。
仲間内のコンペのハンデは6とか7だったし、なぜオフィシャルハンデが10のままなのか(他の仲間はみんなオフィシャルハンデは8とか9になっていた)不思議に思われていた。
Mさんは、自分のコースの月例に出ると腕が縮んでしまう...それを自覚していた。
Mさんのナイスショットと紙一重の所にあるOBや池の数々....自分のコースでは、気持ち良く振るとちょうど捕まるトラブルを避けようとするばかりになり、それでも捕まってしまってただ逃げ回って打ちのめされただけのラウンドの記憶が積み重なって行った。
その記憶がまた次のラウンドでさらに腕を縮込め、スイングのリズムを狂わせ、ただ当てるだけの気持ちになり、それがまた酷いミスを誘う...そんな事をずっと繰り返していた。
たまに他のコースに行くと、本当に気持ち良く振れるし、その結果は自分の努力と練習の成果を実感させてくれるのに。

見栄があった...今のホームコースは難しいレイアウトと高いコースレートが評判で、バブルの時期にはかなりの値段がついたし、一般ゴルファーからは「憧れのコース」としてよく名前が挙がったものだった。
経営が変わった後も、会員権はそれほど高くないものの上級者達程高く評価していたコースだった。
そんなコースでシングルハンデになって、「鼻高々で胸を張りたかった」のがMさんの夢だった。

しかし、友人の言葉に思うところあって、納得してホームコースを変えた。
ある河川敷ののびのびとした広いコース...ただし、コース整備の評判が良いところ。
元のコースは安くしか売れなかったが、その河川敷コースのメンバーになる為には十分でおつりも来る程だった。

そして、そこの月例で次々とネットアンダーを出し、晴れてオフィシャルハンデシングルになるのに半年もいらなかった。
シングルになると、今度は加速がついたように9〜8〜7〜6と半年で上がって行き、今はハンデ5という。
そのハンデ5となった今の力で元のホームコースをどう攻められるかを試したくて、今回のバックティーコンペに参加したのだと言う。
「今回まわってみて、なぜあんなに苦しんでいたのか不思議に思いました」
「今日はきちんと決めて打つ事が出来たし、苦手意識で手が縮む事もありませんでした」
「コースの相性ってあるんですね...」

「もし、いまもあのコースに居たらゴルフをやめたくなっていたか、グレて投げやりなゴルフしか出来ない様な不良ゴルファーになっていたでしょうね」
「コースがゴルファーを作るって昔から言われていますが、コースがゴルファーの成長を妨げる壁になる事もあるってこと、よくわかりました。」
「私は今日このコースの壁を越えましたから、ここにはもう来ません。」
「勿論、私のコースでラウンドを重ねて...ハンデ0までを目指します。」

「見果てぬ夢ですね...叶わないと思いますけど(笑)。」

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