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2016年10月 7日 (金)

どんなに寒くても   (2016年2月22日)

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田圃の真ん中にある小さな公園の、一寸した高台にある東屋。
北風の吹き抜けるその場所に、小さな壊れかけたテーブルといくつかの椅子。
テーブルの下には古い木箱。
その中には多分将棋のセットが二つ以上。
椅子は備え付けが二つに、持ち寄ったものらしい粗末なものが4つくらい。
屋根は少し大きめで、普通の雨なら濡れずに済みそう。

この場所に、暑くても寒くても、嵐でも大雨の日でも
毎日毎日、いつも此処に数人の老いた男達が集まっている。
少ない時には3人、多い時には11〜12人。
...将棋。
対戦しているものがいつも二組に、それを周りで見ているものが何人か。
今の季節は、みんなだるまのように沢山着込んで肩をすぼめて丸くなって。
夏の暑い盛りには、蚊取り線香迄持ち込んで。
あぶれた男達は、公園の木々の陰に更に座り込んで対戦したりして。

小さな公園には野球のグラウンドがあって、その周りを一周する小道がある。
歩く人から声が聞こえる。
「あの人達、きっと家には居場所が無いのね」
「きっと家族も、いない方が気楽だからって思ってるのよ」
「雨の日も風の日も毎日何人か居るものね」
「台風の時にもちゃんと居たのには笑っちゃった」
「此処に来ると絶対誰か仲間がいるって思ってるのよね」
「でもちゃんと夕食の時間には帰って行くのよね」
「将棋って、そんなに面白いのかしら」
「まあ家族も、此処に居るって判ってるんだから安心なんじゃない?」

年老いたご婦人達は、歩きながら聞こえるような声でおしゃべりを続ける。
「元」男達は、何も聞こえないと言うように、真剣に次の一手を考える。



将棋盤の上を、相変わらず冷たい風が遠慮なく吹き抜けている。

描いてる俺の手が、かじかんで動き難い。

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