« 百円の幸せ   (2016年2月25日) | トップページ | S400って、こんなだったっけ?   (2016年2月29日) »

2016年10月 7日 (金)

共に滅びて    (2016年2月28日)

Bu160228

歩いた事の無い道を選んで歩く。
クネクネと新しい町並みと取り残された畑の間に続く道を辿る。

遠目に大木が枝を広げて立っているのが見える。
勇壮に...と見えたのが、近づくに連れて
それが滅びたあとも立ち尽くしている悽愴な姿だったと判る。

太く雄々しかったであろうその樹皮は、所々で剥け落ちている。
豪快に伸びていただろうその枝先は、皆傷つき折れてしまっている。

そしてその足下に、もう誰も住まなくなって久しい様な廃屋があった。
その屋根に、瓦を割って大きな枝が何本も落ちている。
かなり太い枝は、屋根の太い柱さえへし折ってしまっているようだ。
折れ曲がった屋根の所以外も、瓦はあちこちで落ちていて所々に小さな穴をあけている。
壁も崩れ、昔は農機具を置いていたような物置の棚が、斜めになって家の中に続いている。

何時頃だったんだろう。
この家が誰も住まなくなったのは?
何時頃だったんだろう。
この大木が枯れてしまったのは?


この廃屋と枯れた大木。
あまりに近くて、あまりに似ていて。
仲のいい家族、あるいはまだ醒めぬ前の恋人達、
あるいは忠犬とその飼い主...

どちらかが先に滅びれば、どちらかは残されて独り生きる気力を無くし。
あるいは共に同じ運命を感じ取ったり。

廃屋の周りに、それを隠すように木々が生い茂っている風景は何度も見たけど
共に同じように滅びた姿を晒しているのを見たのは初めてだ。


もう春の風の中、
枯れた大木が、共に生きた時代を夢見て
,,,まだ空を見上げている。

|

« 百円の幸せ   (2016年2月25日) | トップページ | S400って、こんなだったっけ?   (2016年2月29日) »

散歩の途中で」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1457285/67836916

この記事へのトラックバック一覧です: 共に滅びて    (2016年2月28日):

« 百円の幸せ   (2016年2月25日) | トップページ | S400って、こんなだったっけ?   (2016年2月29日) »