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2016年12月 9日 (金)

グローリィ・デイズ

Bu161209


同い年のブルース・スプリングスティーンの曲に、「グローリィ・デイズ」というのがあった。
高校時代に花形野球選手であった男の今の境遇や、やはり学生時代に憧れの女王の様な存在だったの女の今の姿...年をとって思い出すのは、あの「グローリイデイズ」の日々の事。
...あのグローリィデイズは、もう二度と戻っては来ない。
何か心傷んで、何度も聞いた曲だった。

もう何年前になるか...
今はもう休館になってしまった「船の科学館」に、係留されていた南極観測船「宗谷」を見に行った時の事。
昔から船が好きで、係留してある船の中をぶらりと見学する事が好きだった。
この時は他の客は少なく、ゆっくりと船内を見て回っていた。

そこで当時の観測船乗務員達の居住設備を見ていた時、一人で歩いて来た少しくたびれたコートを着た老紳士が、立ち入り禁止のロープをまたいで室内に入ってしまった。
流石に「そこは、..」と言いかけた時、その紳士はこちらを振り向いて「私、若い頃、このベッドで南極に行ったんです」
「どうか、見逃して下さい」と小さな声で行った。

「あれは、本当に素晴らしい日々でした。」
「今、時々ここに来て、あの時と同じベッドで横になるんです。」

何も言えなかった。
今の生活が優雅で余裕のある暮らしをしている人のようには見えなかったから。
...なんだか、しんみりとして宗谷を後にした。

「あの人にとって、あの宗谷で南極に行った日々が、きっと人生で一番最高のグローリィデイズだったんだ」
今の暮らしがどんなであっても、あの人はここに来てあの時のベッドに横になると、きっと彼のグローリィデイズが蘇って来るんだ、と思った。


人は誰でも、人生のどこかの時期にグローリーデイズがあると言うけれど...さて、俺にグローリィデイズって、あったのか?
モテるはず無いと思っていたのに、振り向いてくれた時?
結婚出来ないと思っていたのに結婚出来た頃?
小さな娘二人と手をつないで、川の土手を散歩した日々?
始める事なんか考えても無かったゴルフでシングルハンデになれた頃?
食えるはずが無いと思っていた仕事が順調に増えて行った頃?
それで、俺は片隅に座って、酒を傾け、過去のグローリィデイズを思い返して自分を慰める?

いやいや、それはまだ早い。
あの中にきっと俺のグローリィデイズはあるはずだけど、今もそれは終わっちゃいない。

...きっと死ぬ前に思えばいいことだ。



 

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